バスク(仏:Pays Basque)は、フランス南西部のピレネー・アトランティック県内の文化圏で、スペインのバスク地方に隣接し、ビスケー湾に沿ってピレネー山脈西部と国境を接する地域。 ピレネー山脈のアニー峰から、ビスケー湾に面したビアリッツやサン・ジャン・ド・リュズ周辺の壮大な岩だらけの海岸まで広がる地域である。 気候は非常に湿潤で、山間部では年間降雨量が120インチ(3,000mm)を超え、多くの河川が無数の緑豊かな渓谷を形成し、農業と林業を支えている。 ヨーロッパで最も古い言語を話すバスク人は、有史以前からこの地を通過してきた移民の波の中でアイデンティティを保ってきたため、周囲のフランスやスペインの人々とは民族的に異なる存在である。 快適な気候で知られる海岸沿いには、ビアリッツ、サン・ジャン・ド・リュズ、シブール、アンダイなどのリゾート地があり、観光が経済の中心となっている。 また、漁業も行われている。 内陸部のピレネー山脈のふもとでは、羊が盛んに放牧され、チーズの生産が行われている。 スペインのバスク地方で起こったバスク分離主義運動の影響をほとんど受けず、バスク分離主義運動やその他のスペイン国内の紛争からの亡命者の避難所となっている。