<602>目的: 甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)が橋本甲状腺炎患者の多巣性甲状腺乳頭癌(PTC)を示唆し、甲状腺全摘術の必要性を判断する材料となるかどうかを明らかにすることを目的とした。

研究デザイン。 レトロスペクティブ・コホート研究。

設定。 教育病院。

被験者。 HT単独,またはHTと単巣性・多巣性PTCを有する連続した808名の患者を対象とした。

Methods: 術前甲状腺機能検査,TPOAb測定,術前超音波検査,術中凍結生検,術後ルーチン病理検査による甲状腺結節の確認を全例に実施した。 超音波検査と細針吸引細胞診で結節または悪性腫瘍の可能性がある患者を対象とした。 甲状腺機能亢進症、慢性疾患の併発、他の悪性腫瘍の既往、大病の既往がある患者は除外した。 すべての患者に手術が行われ、術後の病理結果によってHTとPTCが確認された。

結果 年齢,性別に群間有意差を認めなかった(P > .05)。 TPOAb ≦1300 IU/mLはHT+単巣PTC群で他の群より多かった(99.57% vs 15.52%,60.75%,P < .001)。 TPOAb >1300 IU/mLは、HT + 多巣性PTC群で他の群より多く見られた(84.48% vs 0.43% and 39.25%; P < .001)。 他のグループと比較して,HT+多巣性PTCグループは,甲状腺刺激ホルモン上昇と中心リンパ節(LN)転移陽性の患者の割合が高かった(甲状腺刺激ホルモン上昇: 8.7% vs 3.2% and 6.5%, P = .008; 中心LN転移陽性: 3.7% vs 6.5%, P = .008; 中心LN転移陽性: 3.2% vs 6.5%, P = .008)。 74.57% vs 67.38% and 0%、P < .001)。

結論 TPOAb高値(>1300 IU/mL)はHT患者における多巣性PTCの決定的な指標であり,甲状腺全摘術による外科的治療の支持となりうる。

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